司法書士   松元早苗

相続にまつわるQ&A集です。色々わからないことなどここでまとめておりますので、参考にしてください。

不動産の相続と贈与ではどちらがお得なの?

実は皆さんが結構疑問に感じているところだと思います。
(注意:相続時精算課税制度というものを利用する必要があります。)

贈与の税金の話

相続登記では、遺産分割協議書を作成する必要があり、相続人の意見をまとめる必要がどうしても出てきてしまいます。
しかし、生前贈与では、遺産分割協議は必要ありません。
贈与者の意志さえあれば、全く問題なく贈与が成立するからです。

贈与については想定される相続人の間でよく話し合ってください。

高いといわれる贈与税ですが、実は大きな控除が利用出来ます。(相続時精算課税制度利用時)

例:不動産3000万円にかかる税

(3000万円の不動産にかかる贈与税)
姫路では、通常3000万円の固定資産税評価はむしろ少ないです。これより少額が普通。
令和6年度以降に固定資産税評価3000万円の土地を贈与する場合
まず、基礎控除の110万円がありそれを引きます。
残額の、2890万円のうち2500万円は控除が可能で、
それを超えた390万円の20%(78万円)が贈与税の額です。
贈与でする場合、上記のように贈与税がかかってきます。
がしかし、
これが相続時精算課税を選択すると、相続税枠で計算出来ることになるのが大きな違いです。相続税には大きな控除がありますので、結果的に相続税(贈与税)はかからないこともあろうかと思います。

Information

相続時精算課税を選択すると、贈与税はかからず相続税扱いで課税計算される。相続税は控除額が大きいので、多くの財産が無ければ結局、相続税はかからないことになる。

生前贈与の場合はこれに加え不動産取得税がかかります。詳しくは非常に難解ですので掲載できませんが評価額の3%程度かかる計算です。(例えば評価額が1500万であれば45万円)
更に、登録免許税が評価額の20/1000かかります。
相続登記では4/1000ですので安いです。不動産取得税も非課税です。

上記の条件を、比べてみてどちらが良いか考えるとよいでしょう。
詳しくはTAXアンサー(あるいは提携の税理士で相談可能ですので、お気軽に相談下さい。)


相続時精算課税制度は、相続の時に大きな控除があります、それを前倒しで利用できる制度です。

これで、相続時の遺産分割協議書が回避できるのであれば、使う人も多くいるのではないでしょうか?

相続が始まってしまえば、相続人全員での遺産分割協議は必須です。

その前に

贈与者の意志だけ確認し、それで贈与が可能となれば、贈与を考える人が多くなっても不思議ではありませんね。
(トラブル回避の為、兄弟など相続人間での厳密な話し合いは必要です。)

相続放棄をしましたが、その後被相続人の口座に生命保険料や、携帯代金などが引き続き引き落とされ続けています。どうすればいいでしょうか?

相続放棄をされた後に、故人の口座(残額数万円程度)からいくらか引き落とされてしまうことは多くある現象です。相続人である方々より携帯電話会社や生命保険会社に対し、被相続人が死亡した旨伝えると間もなく引落しは終わるはずです。その為、過度な心配は不要です。
仮に、引落ができない旨の督促状が送られてくる場合には、未だ生保会社等で手続きが終了していない場合が考えられます。
その場合はもう一度電話される等して下さい。仮に、督促による請求を無視したとしてもその請求は、相続放棄をしているので問題はないと言えますが、もう一度生保会社等に対し、被相続人の死亡を伝えてください。

相続について色々期限があるようですが、何をいつまでにすれば良いかわかりません。

相続財産に借金が多くある場合は、相続放棄を家庭裁判所に裁判所申述しなければなりませんが、その場合の期限は被相続人死亡後原則3か月です、ただし借金があることを知らなかった等の特段の事情がある場合は、例外がありますので、3か月以降でも原則問題はありませんが、
しかし、出来得る限り3か月以内にご相談下さることをお勧めします。
また他にも、相続登記自体の期限が3年以内というリミットが追加されます。(2024年以降)

被相続人が支払っていた生命保険があります。相続放棄をしても保険金は受け取れるのですか?

生命保険金は、被相続人が死亡した時点で、生命保険会社より受取人に対して支払い義務が発生するものと解釈すべきとの判例があります。
つまり生命保険金は、生命保険会社より受取人に対し支払われる支払い義務のある固有の金銭であると思ってください。
ですから、相続放棄をしたとしても、保険金は受取可能です。

相続放棄の申述期間の3か月を超えてしまいましたが、認められるでしょうか?

相続放棄の申述期限3か月を超えて認められた例をまとめていますので参考にしてください。